Project Story
プロジェクトストーリー
SHARE
カギは”360度展開” TVアニメ『重神機パンドーラ』を支えるキーマンたち
全3回連載
あらゆる手法で作品を盛り上げる”360度展開”
*インタビューアー:勝田周 *写真:秋元俊一
フジテレビの深夜アニメ放送枠「ノイタミナ」にて、2005年放送の『ハチミツとクローバー』から2011年放送の『フラクタル』まで製作に携わり、2016年放送の『ALLOUT!!』で再びTVアニメ製作に参入したアスミック・エース。2018年4月より放送されている『重神機パンドーラ(以下『パンドーラ』)』は、『マクロス』や『アクエリオン』シリーズで多くのアニメファンから絶大な支持を得る河森正治総監督による最新作だ。そんな期待の一作に、アスミック・エースはいかにして関わり、そして今、どのような取り組みをしているのか? ライツ事業本部の秋元俊一、池田幸弘、樺島鉄平、小野美香に、各々の立場から語ってもらった。(全3回)
「映像作品への出資、パッケージや動画配信サービスなどへのコンテンツ販売だけではなく、海外へのライセンス、作品を元にしたグッズの製作・販売、イベント興行の開催などでも積極的に収益をあげていく。これを私たちは”360度展開”と呼んでいます」と口火を切ったのは秋元だ。
2005年に新卒として入社して以来、パッケージのセールスや商品企画、動画配信サービスのマーケティングや映像作品の調達などに携わってきた。関連会社のKDDIなどにも出向し、アスミックへは2017年夏に久しぶりに戻ってきたという。
秋元「当社はアニメ事業に再参入後、大型作品の配信窓口権獲得、TVアニメ『3月のライオン』や『斉木楠雄のΨ難』では、実写映画とアニメを同時展開させる試みを行いました。ただ、映像に限らず”360度展開”ができる次の作品は……と考えていた矢先に、お話を頂いたのが、この『重神機パンドーラ』でした」
日本での協力パートナーを探していると聞き、即座に手を上げることにした。その決め手は『パンドーラ』が原作のないオリジナル作品であることにあった。
秋元「コミックや小説などの原作がある作品では、私たちが事業を行う範囲はどうしても限られてしまいます。ですが、オリジナル作品ならもっとコントローラブルなものとして立ち回れます。これは、多少のリスクを負ってでも参画すべきだと判断しました」
河森正治総監督作品というネームバリューも、大きな後押しになった。
小野「河森総監督ほどの方が手がける作品は、私たちのところに話がくるまでに座組みが決まってしまっているのもめずらしくありません。そんな作品の深いところに私たちが飛び込めるというのは、大きなチャンスでした」
【動画配信サービスとのパートナーシップ】
動画配信サービス「Netflix」でも配信されている『パンドーラ』。その交渉・調整を手がけたのが樺島だ。前職は株式会社タカラトミーで、同社の『ベイブレード』や『ビーダマン』を売り出すための営業で海外を奔走。各国のディストリビューター、メディアと組み、ローカライゼーションに携わった。だが、本当はずっとアスミック・エースに勤めたかったのだと笑う。
樺島「僕は2002年に公開された『ピンポン』の直撃世代なんですよ。でも、就職活動時にはアスミック・エースが新卒採用の募集をしていなくて…。今は、前職で培った海外経験をどのようにして活かすかが、自分のバリューだと思っています」
Netflixが2015年9月に日本でのサービスを始めてからは、同社との交渉を一手に担う。
樺島「グローバルスケールで多くの方に作品をお届けするNetflixさんと、日本を代表し海外でも愛される河森総監督の作品『パンドーラ』の掛け合わせには、担当ながらとても興奮しています」
とはいえ、交渉には時間を要した。
樺島「Netflixさんとグローバルスケールでご契約させていただくことは、担当としてはこれ以上ないエキサイティングな経験ながら、ビジネスサイドにて議論させていただくことは多くあり、それも含め、素晴らしい経験をさせていただきました」
(次回、「手探りでの商品化展開」について)
「重神機パンドーラ」について
<スタッフ>
原作:河森正治・サテライト/総監督:河森正治/監督:佐藤英一/シリーズ構成:根元歳三
キャラクター原案:江端里沙/キャラクターデザイン:安彦英二/重神機デザイン:河森正治
B.R.A.I デザイン:宮崎真一/デザインワークス:石川寛貢/色彩設計:林可奈子/美術監督:伊
藤聖(STUDIO ARA)/美術設定:青木智由紀、森岡賢一
撮影監督:久保田淳/編集:兼重涼子/CG ディレクター:後藤浩幸
CG スーパーバイザー:原田丈/重神機モデリング:小川朗広(unknownCASE)、渡邉健人、忽帥
モニターグラフィックス:影山慈郎(T2studio)/特殊効果:飯田彩佳/音響監督:濱野高年
音響効果:中島勝大/音響制作:マジックカプセル
音楽:得田真裕、眞鍋昭大/音楽制作:フライングドッグ、ワンミュージック
オープニング主題歌:BUMP OF CHICKEN「シリウス」(TOY’S FACTORY)
エンディング主題歌:BUMP OF CHICKEN「Spica」(TOY’S FACTORY)
挿入歌:西沢幸奏「Meteor」「New Generation」(フライングドッグ)
中島 愛「悲しみと共に」(フライングドッグ)
制作:サテライト
<キャスト>
レオン・ラウ:前野智昭/クイニー・ヨウ:花澤香菜/ダグ・ホーバット:津田健次郎/クロエ・ラウ:東山奈央
グレン・ディン:内田雄馬/ケイン・I・ハサン:石塚運昇/ジェイ・ユン:梅原裕一郎/セシル・スー:茅野愛衣
Mr.ゴールド:檜山修之/ジーク:中村悠一/ワン:近藤孝行/フォー:石川界人
フィオナ:能登麻美子/エミリア・ヴァリ:瀬戸麻沙美/ロン・ウー:石田彰
<放送・配信情報>
TOKYO MX にて毎週水曜23:30~ WOWOW にて毎週金曜21:30~
BS11 にて毎週金曜23:30~ MBS にて毎週土曜27:38~ 好評放送中
Netflix にて日本先行独占配信中/全世界展開決定
契約の時、希望は彼ら(パンドーラ)に託された――
公式サイト:http://www.project-pandora.jp/
©2017 Shoji Kawamori, Satelight / Xiamen Skyloong Media